Biophilia 11

特集: 宇宙での生物観察、実験
─水棲生物を用いた試み─

      

国際宇宙ステーション(ISS)の建設が進み、2008年にはいよいよ日本の実験棟「きぼう」が打ち上げられる。「きぼう」には、細胞培養装置や生物実験ユニットなどの生命科学系装置も搭載される。なかでも、水棲生物実験装置は我が国で独自に開発のものである。日本人研究者による数々の実験が計画されおり、宇宙生物学の躍進が期待されている。本特集では、「きぼう」での宇宙実験を展望しうる専門の先生方に6編の論文をご執筆していただいた。この特集が高校生や中学生をはじめ多くの方々が宇宙生物学へ興味をもつ契機となれば幸いである。

企画・編集協力:片平清昭(福島県立医科大学実験動物研究施設準教授)

もくじ

Biophilia 対談

こころと医療患者の望む医療の実現を求めて
―日本における理想の医療のかたちとは―
山折哲雄(宗教学者)、永田良一(株式会社新日本科学 代表取締役社長兼CEO)

【巻頭言】生命科学の進展に寄せて

真の生命科学振興を願う
中村桂子(JT生命誌研究館 館長)

【特集】宇宙での生物観察、実験―水棲生物を用いた試み―

宇宙生物学のススメ
山下雅道(独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部)
水棲生物を用いた宇宙実験
―水棲生物からヒトへ―
石岡憲昭、益川充代、大森克徳(宇宙航空研究開発機構)
メダカを用いた宇宙実験
―宇宙での子づくり―
井尻憲一(東京大学アイソトープ総合センター)
カエルを宇宙へ
―アフリカツメガエルを用いた宇宙実験―
柏木昭彦、柏木啓子、古野伸明(広島大学)、新海正(東京都老人総合研究所)
ゾウリムシは宇宙を目指す
最上善広(お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科)
「きぼう」での日本発宇宙生物実験
矢野幸子(独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 宇宙環境利用センター)

【連載】

ヒトと動物の共生へ 第9回変わりゆく21世紀の動物園
―よこはま動物園(ズーラシア)の取り組み―
松本令以(横浜市立よこはま動物園)
生き物たちに向けてきたまなざし 第1回ナチュラルデータと取り組んだ歴史
1 最初のナチュラリスト
西村顯治(慶應義塾大学名誉教授)
化学進化論で探る生命起源 第1回化学進化論の成り立ちと生命の起源論
村江達士(九州大学名誉教授)

【総説】

鳥インフルエンザウイルスの脅威
大槻公一(京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター長)
狂犬病
―36年ぶりに発生―
山田章雄(国立感染症研究所獣医科学部)
NBRP紹介日本生まれのモデル植物
―アサガオ―
仁田坂英二(九州大学大学院理学研究院 生物科学部門)
安全な手術を求めて
―麻酔の先駆者たち―
谷藤泰正(東京慈恵会医科大学、星薬科大学)
私たちは数多くの微生物とともに生きている
佐々木隆(明治乳業株式会社食機能科学研究所)

【インフォメーション】

海外科学雑誌情報 Silva Scientiae IV
久原孝俊(順天堂大学大学院医学研究科アトピー疾患研究センター)
Capsula Verborum
利他行為 : altruism

思いやり : charity

一般的互酬性 : generalized reciprocity

善行 : benevolence

共感 : empathy

シクリッド : cichlid fish

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この巻号について

第3巻 第3号 (通巻11号)

Biophilia 11

特集: 宇宙での生物観察、実験
─水棲生物を用いた試み─

発行日: 2007年9月10日

前後の号

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