Biophilia 電子版 18
特集: 腸内細菌と腸共生系
ヒトとウイルス・細菌・寄生虫の関係について、「人間が善、細菌が悪」という考え方を止めるよう呼び掛け、「宿主(人)とその寄生生物(微生物:ウイルス・細菌・寄生虫)は、それぞれのゲノムが結び付いてキメラのような状態になっている超個体と見なすべきです」とレーダーバーグは述べます。
腸内細菌がいなくなると免疫が「暴走」します。腸炎とは、腸がただれたり、下痢が起きたりします。からだは免疫という仕組みを持っており、細菌をはじめとした異物に抵抗しています。腸内細菌があるとよいバランスを保っていますが、腸内細菌がいなくなると免疫が過剰な反応をして、いわば暴走し始める現象を発見、腸内細菌の17種類を腸に投与すると腸の炎症を押さえ込めることまで突き止めました。今最も注目されています腸内フローラを最新の知見で構成します。
もくじ
【巻頭言】
「腸という共生系」
keywords: 腸内細菌, 腸, 共生系, 免疫・神経系
【特集】腸内細菌と腸共生系
ヒト腸内細菌叢の全体像と多様性
keywords: マイクロバイオーム, メタゲノム, 常在菌, 微生物, 次世代シークエンサー
腸の免疫系と腸内細菌
八村 敏志(東京大学大学院 農学生命科学研究科)
keywords: 腸内細菌, 腸管免疫系, IgA抗体, 経口免疫寛容, 制御性T細胞, Th17細胞
腸内エコシステムのバランス異常がもたらす疾患
keywords: 腸内エコシステム, 宿主-腸内細菌叢間相互作用, 腸内代謝物質, メタボロゲノミクス, 腸内デザイン
腸内細菌と消化管神経系・脳腸相関
keywords: 脳腸相関, 腸内細菌, 過敏性腸症候群, 感染性腸炎後過敏性腸症候群, プロバイオティクス
腸内細菌叢と脳神経機能
keywords: behavior, gut microbiota, resilience, short chain fatty acids, stress response
腸共生系の発達と維持における腸内細菌叢の役割
keywords: 腸共生系, 腸管上皮細胞, 炎症反応
プロバイオティクス、プレバイオティクスの作用
無菌動物とノトバイオートを用いて
keywords: ノトバイオート, 腸内細菌, 肥満, 短鎖脂肪酸, 代謝, 免疫系
次世代シークエンサーとバイオインフォマティクスを応用した腸内細菌叢の解析
keywords: 次世代シークエンサー, 腸内細菌, メタゲノム解析, メタ16S解析, バイオインフォマティクス
【連載】
日本発世界初、医療機器イノベーション
〈第4回〉アイデアを生み出す
keywords: コンセプト創造, ブレインストーミング, コンセプト選択
強靭な研究者であるために─その1
〈第9回〉ガラパゴスで考えたこと
keywords: 競争的研究環境, 研究不正行為, STAP 細胞論文, 学位論文, 大学院教育, homest mistake
カメ医療の基礎
〈第6回〉カメの治療:支持治療2 強制給餌、投薬、注射
keywords: 強制給餌, 投薬, 注射