Biophilia 27

特集: 再生医療で元気になる

      

再生医療の実用化で変貌するといわれている21世紀の医療。
世界の研究者たちが先を競うなか、日本でもES細胞やiPS 細胞の研究に巨額の資金が投入され、研究が進められている。実用化すれば医療が変わるだけでなく、経済効果も計り知れない。では、実用化まであとどのくらいなのだろう?
毛髪、目、歯、脊椎……、最前線から届いたレポートをご紹介しよう。


もくじ

【巻頭言】生命科学の進展に寄せて

「治療的自己」について
山岡 昌之(国家公務員共済組合連合会九段坂病院 副院長)

【特集】再生医療で元気になる

再生医療
─実用化の現状と今後の展望─
大野 隆之、木村 泰子、永井 洋士、福島 雅典(先端医療振興財団 臨床研究情報センター)
keywords: トランスレーショナルリサーチ, 幹細胞療法, 体性幹細胞
iPS細胞、核初期化機構と臨床応用
石井 哲也(現所属 独立行政法人科学技術振興機構)山中 伸弥(京都大学iPS細胞研究所)
keywords: iPS 細胞, 核初期化, 創薬, 再生医療
淋しくなった毛髪は再生医療で蘇るのか?
板見 智(大阪大学大学院 医学系研究科)
keywords: 男性型脱毛症, 毛包, 幹細胞, 毛乳頭細胞, 男性ホルモン

脊髄損傷・網膜色素変性症...、ES細胞の可能性と最新事情

末盛 博文(京都大学 再生医科学研究所 附属幹細胞医学研究センター)
keywords: ES 細胞, 分化誘導, 細胞移植医療, GMP

バイオ人工臓器研究から再生医療の実用化をめざして
─細胞用まな板によるES/iPS細胞の大量増殖と肝細胞への高効率分化誘導とは─
赤池 敏宏、伊勢 裕彦、賀喜 白乙、M. A. Haque(東京工業大学 フロンティア研究機構)
keywords: 再生医療, バイオ人工肝臓, 細胞用まな板, ES細胞, iPS細胞, 肝細胞, 細胞認識性バイオマテリアル

体外培養で歯の再生をめざす

中原 貴(日本歯科大学 生命歯学部)
keywords: 歯の再生, 体外培養, 幹細胞, 歯科用インプラント, 再生医療

卵膜由来の間葉系幹細胞を用いた再生医療の将来
石兼 真、池田 智明(独立行政法人 国立循環器病研究センター)
keywords: 卵膜, 間葉系幹細胞, 他家細胞移植, 血管新生作用, 免疫抑制作用

再生医療実現へ向けた倫理的課題
菱山 豊(独立行政法人科学技術振興機構)
keywords: 生命倫理上の課題, エピゲノム解析, キメラ動物, 細胞バンク, リスク

【総説】

生命科学における知の構造化
美馬 秀樹(東京大学大学院 工学系研究科(兼任)東京大学 知の構造化センター)
keywords: 知の構造化, 自然言語処理, 可視化, オントロジー, 漢方医学

福祉工学の立場から視・聴覚機能を支援する
─触覚利用を例にとって─
伊福部 達(東京大学・高齢社会総合研究機構)
keywords: 福祉工学, 聴覚障害, 視覚障害, 触覚

昆虫が体内に宿す不思議な力
─共生細菌がアブラムシの性質を変える─
土田 努(富山大学 先端ライフサイエンス研究拠点)
keywords: 昆虫共生微生物, アブラムシ, 植物適応, 体色

クルマエビの完全養殖
~親エビ育成及び催熟飼料の開発に向けて~
越塩 俊介(鹿児島大学 水産学部)
keywords: 完全養殖, クルマエビ, 卵巣成熟用飼料, トレーサビリティ, 機能性物質

【連載】

命って何?~哲学のまなざし~
第4回 唯名論に抗して
三浦 洋(北海道情報大学 情報メディア学部)
keywords: 唯名論, 意味論, 単位, 機能主義, 物理主義

エコチル調査
最終回 エコチル調査の特徴と米国の動向
新田 裕史(独立行政法人 国立環境研究所環境健康研究センター)
keywords: 疫学, コホート研究, 環境保健

コンパニオンアニマルと幸せに暮らす
第2回 災害時、ペットを守るための備え
萩森 健二(かもがわ動物クリニック)
keywords: 避難生活, 栄養失調, 予防接種, マイクロチップ

【インフォメーション】

海外科学雑誌情報 Silva Scientiae X X
─ 協力と分かち合い─
久原孝俊(順天堂大学大学院医学研究科)

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この巻号について

第7巻 第3号 (通巻27号)

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特集: 再生医療で元気になる

発行日: 2011年9月10日

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