Biophilia 28
特集: 食の安全と健康を考える
原発事故による放射能汚染問題が盛んに取りざたされている最中に、ユッケを食べた人たち4人が、食中毒で亡くなった。原発事故によって飛散したセシウムは、北海道や西日本各地の土壌からも見つかり、ふぐ料理、法事料理などによる食中毒事件も後を絶たない。食品の放射能汚染と食中毒。両者に共通するのは危機管理意識の低さが招いた結果ということだろう。安心して食事をするために、私たちはどうしたらよいのだろう?
今回の特集では、放射能汚染の実態から食中毒の防止方法まで、8名の専門家が「食の安全」について指南する。
もくじ
【巻頭言】生命科学の進展に寄せて
急速に進むグローバル化 生命科学研究者にはリテラシー教育を!
【特集】食の安全と健康を考える
日本の食は、どこまで安全か?
keywords: 原発事故 , 放射線影響 , 除染 , 食品汚染
もし、放射性物質を口にしてしまったら
─放射能汚染と食と健康
keywords: 原発事故 , 内部被ばく , 体内除染 , 健康影響
消費者に安全と安心を届けるための取り組み
keywords: コープ商品 , リスクアナリシス , ISO9001 , フードチェーン
食品のリスク管理
keywords: 微生物 , 化学物質 , 放射線 , 規制値の意味
食の信頼とフードコミュニケーション
keywords: 食の信頼 , 食品偽装 , 経験財 , 社会的不確実性 , フードコミュニケーション
添加物・農薬・薬─口に入る化学物質は、どのくらい体にアブナイのか?
keywords: 化学物質 , 毒性 , 生活習慣病 , 寿命への影響
怖いのはユッケだけじゃない
──食べ物と菌と食品衛生
keywords: 食中毒菌 , 温度管理 , 少量感染菌 , 衛生規範 , カンピロバクター , 腸管出血性大腸菌O-157
植物工場生産物の安全性と将来性
keywords: 植物工場 , 完全制御型 , 安全・安心 , 蛍光灯とLED
【総説】
創傷治癒のメカニズムと「ケガの功名」
──生命の神秘と科学の醍醐味
keywords: マクロファージ , 筋線維芽細胞 , キズ , 細胞と細胞の会話 , 生命の尊厳
モグラをとおして考える生物の多様性
keywords: モグラ , 生物多様性 , 進化 , 地下生活
世界最古のスッポン化石発見
─カメから探る太古の地球
keywords: スッポン , カメ , 生物進化 , 古生物学 , 中生代白亜紀
生活習慣病になりやすい遺伝体質に迫る
─山形大学グローバルCOEプログラム「分子疫学の国際教育研究ネットワークの構築」
keywords: 分子疫学 , コホート研究 , 遺伝子解析 , オーダーメイド医療 , ゲノム創薬 , 地域還元
オルガネラネットワーク医学創成に向けて
keywords: 細胞生物学 , 糖鎖生物学 , 感染症学 , 糖鎖サイクル , 病原体感染機構
【連載】
コンパニオンアニマルと幸せに暮らす
第3回 愛犬・愛猫が「がん」と診断されたとき
keywords: がん , 6歳 , 健康診断 , 早期発見 , 早期治療
命って何?~哲学のまなざし~
第5回 生きていることの原因
keywords: 原因 , 結果 , 論理 , 必然 , 偶然
【インフォメーション】
海外科学雑誌情報 Silva Scientiae X X I
─ボルバキアWolbachia は人類の救世主となるか?─