Biophilia 10

特集: 生命の起源に迫る

      

生命はどこからきたのだろうか?

という問いは古くからさまざまな形で人々に論じられ、それを探るための試みも数多く行われてきた。生命の起源は未だ謎であり、その探求は現在も脈々と続いている。

本特集では、まず、生命の起源論の歴史を概観し、現在日本で出されている最新の仮説、理論を取り上げる。また、すべての生物に共通の祖先遺伝子を探る試みを紹介する。生命の起源論の今に迫る。

(特集担当:海野隆)

もくじ

【巻頭言】生命科学の進展に寄せて

動物福祉と動物実験代替法への考慮の必要性について
大野泰雄(国立医薬品食品衛生研究所)

【特集】生命の起源に迫る

生命の起源
―その諸説粉々―
長野敬(河合文化教育研究所、自治医科大学名誉教授)
GADV仮説から見えた生命誕生への新たなシナリオ
池原健二(奈良女子大学理学部化学科)
生命は地下で生まれた
―「太古の海は生命の母」の呪縛を解く―
中沢弘基(独立行政法人物質・材料研究機構 フェロー)
生命の"もと"は宇宙から?
―高分子態複雑有機物と生命の起源:がらくた分子から生命へ―
小林憲正(横浜国立大学大学院工学研究院)
遺伝子からどこまでさかのぼれるか
―全生物共通の祖先遺伝子を探る―
山岸明彦(東京薬科大学生命科学部分子生命科学科)

【連載】

ヒトの心の発達とその精神病理の理解を目指して 第1回情動発達とその障害発症機構
―扁桃体の役割―
西条寿夫、小野武年(富山大学大学院医学薬学研究部システム情動科学)
ヒトと動物の共生へ 第8回水族館で海獣と暮らす
勝俣悦子(鴨川シーワールド)
東洋医学と西洋医学の融合を目指して 第4回脳血管性認知症病態モデルにおける和漢薬作用
松本欣三(富山大学和漢医薬学総合研究所)

【総説】

someone-Biophilia連動企画二酸化炭素を減らして地球温暖化を防ぐ
―長期的展望に立つ光合成微生物の利用―
都筑幹夫(東京薬科大学生命科学部環境ゲノム学科)
someone-Biophilia連動企画微細藻類を用いた二酸化炭素固定技術の紹介
―事業会社としての取り組み―
鈴木健吾、尾形直久(株式会社ユーグレナ)
ディープインパクト号は空を飛んで走るのか?
高橋敏之(日本中央競馬会競走馬総合研究所 運動科学研究室)
前立腺がん治療薬開発物語
―ペプタイドホルモンの試験管ガラス壁への吸着防止方法から前立腺がん治療薬開発まで―
中山亮、山崎巌、藤原玲子、木村義昭、安斎享征(元・武田薬品生物研究所、RCCリミッテド日本支社)

記事広告

ジェネリック医薬品とは
―その現状と課題―
廣谷芳彦(大阪大谷大学薬学部臨床薬剤学講座)/ 提供:沢井製薬
高き峰めざして
―高峰譲吉の生涯とその業績―
提供:大洋薬品静岡販売株式会社
乳児栄養研究における人工哺育システムの開発
中山悠、桑田有(明治乳業株式会社)/ 提供:明治乳業株式会社

Biophilia 対談

こころと医療―医師と患者のよりよい関係を築く―
森亘(東京大学名誉教授)、永田良一(株式会社新日本科学)

【インフォメーション】

海外科学雑誌情報 Silva Scientiae III
久原孝俊(順天堂大学大学院医学研究科アトピー疾患研究センター)
Capsula Verborum
体細胞クローン(動物) : an animal cloned from somatic cells

胚性幹細胞(ES細胞) : embryonic stem cell

胚盤胞 : blastocyst (初期胚)

内部細胞塊 inner cell mass: ICM

ヒツジ : Ovis aries

マウス : Mus musculus

ウシ : Bos taurus

ブタ : Sus scrofa domesticusSus scrofaはイノシシ。)

ネコ : Felis silvestris catus (分類学上の名称はイエネコ。Felis silvestrisはヤマネコ。)

ウマ : Equus caballus

ラット : Rattus norvegicus (分類学上の名称はドブネズミ。)

イヌ : Canis lupus familiaris (分類学上の名称はイエイヌ。Canis lupusはタイリクオオカミ。)

オオカミ : Canis lupus
研究室訪問 Vol.08ナタデココでナノサイエンス
―安全・安心のナノテクを目指して―
立教大学理学部化学科 田渕眞理研究室
官庁インフォメーション

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この巻号について

第3巻 第2号 (通巻10号)

Biophilia 10

特集: 生命の起源に迫る

発行日: 2007年6月10日

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